- HOME
- 臨床研究 画像診断
基礎・トランスレーショナル研究
不整脈１│不整脈２│血管炎│心不全│血液凝固│その他│循環生理解析グループ
臨床研究
心臓CT
心臓は常に拍動しているため、かつてはCTで心臓を撮影することは困難とされていました。約20年ほど前からCTの技術は格段に進歩しており、最新のCTを用いて心電図をとりながら心臓の拍動に合わせてCTを撮影することで、心臓の細かい構造を詳細に評価することができます。狭心症などの冠動脈疾患が疑われている患者さんでは、冠動脈狭窄の有無や程度を調べます。入院が必要なカテーテルによる冠動脈造影検査と異なり、外来で検査を行うことができます。冠動脈バイパス術後の患者さんでは、複雑なバイパス血管の走行や流れを調べることもできます。また、心臓に負荷をかける検査薬を併用することで、心臓の筋肉に流れる血流も調べることができます。心房細動など不整脈の患者さんでは、カテーテルアブレーション治療を行う上で重要な、肺静脈や左心房の形態を確認するために行うこともあります。当院では最新の機器を2019年に導入し、より多くの患者様に検査を受けて頂けるようになりました。
心臓MRI
MRIは強力な磁石の力を利用して体内の組織を明瞭に画像化できる検査装置です。放射線を使ったレントゲンやCTに対して被曝がなく、体に負担の少ない検査です。
心臓のMRIでは心臓の機能や心筋を詳しく解析することができます。特に「遅延造影」という所見は、心エコー検査だけでは評価することが難しい心筋症の診断など、心臓を動かしている筋肉である「心筋」の性質の精密な解析に非常に有用です。
当科では、2020年に導入された最新の3T（テスラ）のMRIを用いて、国に指定された難病（特定疾患）である肥大型心筋症、拡張型心筋症、サルコイドーシス、心アミロイドーシス、不整脈源性右室肥大症などの心筋症や、その他炎症性疾患である心筋炎といった疾患の診断・研究に幅広く活用しています。特に当科では10年以上心臓MRIによる診断・研究を続けておりますが、心筋症の診断が確定して、その後の治療に結びつけられる症例も増えてきました。
また心臓MRIは不整脈疾患のある患者さんの診断にも有用です。不整脈の患者さんでは、不整脈の原因となる場所（器質）が心筋のどこにあるかの評価が重要です。不整脈の器質の評価を行うことで、カテーテルアブレーションやデバイス治療に役立てることができます。
心臓MRIのメリットとしては被曝がないこと、また一つの検査で心臓に関する多面的な評価ができます。すなわち、心機能が良いか悪いか、心拡大・肥大などの心臓形態、心筋の性状、さらには心筋梗塞などの虚血性心疾患が背景にあるかどうかの検査まで可能です。デメリットとしては拍動している心臓を撮像するため、45-60分程度の時間がかかることで、極度の閉所恐怖症の方では検査が難しくなることがあります。
このように心臓MRIは他の画像検査では代替できないような内容まで詳細な解析が可能であることが最大の特徴です。心臓に上記の持病をお持ちの方で医科歯科大学の心臓MRIで詳しく調べたい、という方は当科担当者までご連絡ください。
