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検査・治療

外来で行う検査

  • 一般的な検査
     血液検査、心電図検査、レントゲン撮影、CT検査など
  • 運動負荷心電図
     ベルトの上を歩いていただき、心電図に異常がないかどうかを検査します。主に狭心症・不整脈の診断のために行います。
  • ホルター心電図
     携帯の心電図をつけて普段の生活をしている間の心電図を24時間記録します。1週間記録できる長時間記録ホルター心電図や特殊な波形解析が可能なホルター心電図も扱います。これらは不整脈、狭心症の診断のために行います。
  • 植込み型ループレコーダー
     失神時の心電図所見や潜因性脳梗塞の原因となる心房細動を検出する目的で、胸部の皮下に心電計を挿入する検査です。約2-3年間と長期間の心電図モニタリングが可能です。
  • 心エコー
     超音波を使って心臓の形、機能の異常、血流の異常がないかを診断します。
  • 負荷心エコー図検査
     安静時のみでは十分な評価ができない病態(弁膜症、心筋症、心不全など)に対して、運動もしくは薬剤を用いた負荷を行い、心臓超音波検査での評価を行います。
  • 心筋シンチグラム
     放射性同位元素で標識した薬品を静脈注射して調べます。狭心症、心筋梗塞、心筋疾患の診断のために行われます。
  • 心臓MRI
     放射線を使わずに心臓や血管の立体的な像を得ることができ、心筋症や心筋梗塞の診断に有用です。
  • 心臓CT
     短時間で侵襲少なく冠動脈狭窄の検査ができます。
  • ポジトロンCT(PET)
     心筋梗塞、心サルコイドーシス、高安動脈炎などの診断のために行います。

入院で行う検査

  • 心臓電気生理学検査
     手足の血管から細い管(カテーテル)を心臓まで進めて心臓の中で心電図を記録し不整脈の診断を行います。不整脈の発生機序の解析と治療法の決定に必要な検査です。当科の医師が心臓カテーテル室を使用し月曜午後、火曜午後、木曜、金曜不定期に行っています。
  • 起立試験
     失神やめまいを訴える方で、神経調節性失神の可能性がある方に行います。台の上に横になっていただき、角度をつけながら薬剤の負荷をすることで、自律神経機能を判定します。
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断(ポリソムノグラフィー検査)
     睡眠時無呼吸をもつ心不全の方のための検査です。診断の後、在宅酸素療法や持続陽圧呼吸療法が可能となります。
  • 経食道心エコー
     経食道心エコーは食道内に入れた探触子を使って心臓の裏側から超音波検査を行います。弁膜症や左心房内血栓症の診断に有効です。(外来で行う場合も御座います。)
  • 加算平均心電図
     不整脈起源となる異常な微小電位を加算増幅し、不整脈基質の有無の診断を行います。
  • 心臓カテーテル検査(血管造影検査)

    冠動脈造影画像

    冠動脈造影画像
    (左冠動脈の高度狭窄)

    手足の血管から細い管(カテーテル)を心臓まで進めて心臓の中で血圧を計ったり、造影剤を使って心臓の動きを観察したりします。

    冠状動脈などの血管に異常がないかを調べます。冠動脈造影は虚血性心疾患や心不全、不整脈の基礎心疾患の評価と治療法の選択に必要不可欠な検査です。

入院で行う特殊治療技術

  • 経皮的冠動脈形成術(PCI)
     PCIはカテーテルの先につけた風船を冠動脈の狭くなった部分で拡張することによって狭い部分を広げ血液の流れを改善します。狭くなっている部分の状態に応じて筒状の支え(ステント)を入れたり、動脈硬化の部分を削ったりします。
  • CARTO(カルト)システム画像(左心房・僧帽弁輪を反時計回りに旋回する心房頻拍)

    CARTO(カルト)システム画像
    (左心房・僧帽弁輪を反時計回りに旋回する心房頻拍)

    カテーテルアブレーション(カテーテル心筋焼灼術)
     1980年代より治療が開始され、対象となる不整脈のメカニズムが解明されたことや、カテーテル技術と治療機器の進歩により、現在では多くの不整脈の治療が可能となっています。局所麻酔下で直径約2mmのカテーテルを心臓内の異常な部位におき、高周波電流を通電し焼灼を行い、不整脈の発生を抑制します。
  • WATCHMAN(ウォッチマン)を用いた左心耳閉鎖治療
    WATCHMAN(ウォッチマン)を用いた左心耳閉鎖治療を行っております。詳細は別ぺージをご参照下さい。
  • 経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)/経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip®)
  • 難治性心不全に対する心臓再同期療法(CRT)
     難治性心不全では、左心室壁の収縮するタイミングのずれが見られる場合があります。その治療法として、恒久式ペースメーカーと同様、心房と右心室にリードを留置し、更に左心室の外側の静脈(冠静脈)にもリードを留置した上で、左心室のペーシングのタイミングを調節し、左室壁の収縮のずれを改善させる治療を行います。この治療により生活の質と生命予後の改善が期待されます。
  • 重症不整脈に対する非薬物治療
     恒久式ペースメーカー、植え込み型除細動器
  • ペースメーカーリード抜去
     ペースメーカー感染、リード離脱など治療困難な状態に対しペースメーカーのリード抜去術を行うことができます。エキシマレーザーといった特殊な器具を用いたリード抜去も行うことができます。
  • 急性心不全・心原性ショックの非薬物治療
     補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)、大動脈バルーンポンプ(IABP)、経皮的心肺補助装置(PCPS)、左室補助装置(LVAS)、心臓移植(申請)
  • 高安動脈炎・大動脈炎症候群
     高安動脈炎の診断、治療、相談を行っております。病気についてお知りになりたい方は、難病医学財団ホームページをご覧ください。

その他

  • 重症肺梗塞例の循環サポート、および急性期血栓溶解療法
  • 大動脈解離急性期などの高血圧性緊急症の薬物治療
  • 拡張型心筋症に対する薬物療法と心臓移植適応の検討
  • 神経調節性失神に対する、薬物・非薬物治療
  • 閉塞性肥大型心筋症に対する心房・心室順次ペーシング療法
  • 遺伝性QT延長症候群の薬物・非薬物治療

平均的な入院期間

心臓カテーテル検査 約3日間
急性心筋梗塞 約14日間
アブレーション 約3~5日間
ペースメーカー 約7日間
経皮的冠動脈形成術 約3~4日間