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WATCHMAN(ウォッチマン)を用いた左心耳閉鎖治療
c 2019 Boston Scientific Corporation. All rights reserved
Q: WATCHMAN(ウォッチマン)とは何か?
A: 脳梗塞を予防する治療機器です。不整脈(心房細動)の患者さんに対して、左心耳と呼ばれる心臓の部屋に蓋をすることで脳梗塞を予防するための治療機器です。日本では2019年秋に始まった新しい治療法ですが、欧米では15年以上前から行われており確立された治療法です。
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Q: 不整脈が原因で脳梗塞になるのか?
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A: 心房細動という不整脈には脳梗塞のリスクがあります。心房細動になると心臓の上の部屋(心房)が小刻みに震える状態になるため、血液の流れが淀んでしまい血の固まり(血栓)が出来やすくなってしまいます。この血栓が心臓から押し流されて脳の血管に詰まってしまうと脳梗塞(心原性脳梗塞)になります。これを予防するため通常は血をサラサラにする薬(ワルファリンやDOACと呼ばれる抗凝固薬)を飲みます。しかしながら一部の患者さんでは、血をサラサラにする薬の影響で大出血を起こしてしまう事があります。また血をサラサラにする薬をきちんと飲んでいても、繰り返し脳梗塞を起こしてしまう事もあります。
Q: どのような人に行われるのか?
A: 出血のリスクが高い患者さんにメリットがあります。心房細動があり血をサラサラにする薬を飲んでいるが、消化管出血や脳出血などの病気を合併している、出血リスクの高い患者さんに大きなメリットがあると考えられています(ウォッチマンの対象となる方を参照)。45日後には92%の患者さんで、1年後には99%の患者さんが血をサラサラにする薬(抗凝固薬)を中止できています。
Q: 実際にはどのようにしてウォッチマンを入れるのか?
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A: カテーテルを用いて足の付根の血管から入れます。全身麻酔をしてから、カテーテル(細い管)を足の血管から心臓まで挿入して治療を行います。心臓の上の部屋(心房)には左心耳と呼ばれる小さなポケット上の構造物があり、血の固まり(血栓)は主にこの左心耳の中にできます。ポケットに蓋をする形でウォッチマンを左心耳の中に置いてきます。手術時間は2時間程度、入院期間は5日間程度です。通常の医療保険が適応される治療法です。(手術時間・入院期間は患者さんの病状により伸びる場合があります)
ウォッチマンの対象となる方
以下1~4の全てに当てはまる患者さんを対象にしています。
1. 非弁膜症性心房細動の患者さんである。
2. 脳梗塞のリスクの高い患者さんである。(CHADS2スコア2点以上)
3. 以下のいずれかに1つ以上該当する。
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- HAS-BLEDスコアが3点以上
- 転倒・転落に伴う治療歴が複数回ある
- びまん性脳アミロイド血管症の既往
- 抗血小板薬2剤以上を長期(1年以上)服用
- BARC type3に該当する大出血の既往
4. 短期的な(45日程度)抗凝固療法であれば内服可能な患者さんである。
治療体制
循環器内科と心臓血管外科と合同で、左心耳閉鎖術にメリットのある患者さんを検討した上で手技を行っています。当院では、2019年10月から治療を開始しております。 担当医:梅本朋幸、松田祐治、後藤健太朗
治療相談のお問い合わせ先
患者様からのお問い合わせ:03-3813-6111(代表)
医療機関様からのお問い合わせ:03-5803-4655(地域連携室)