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臨床不整脈研修コース

本学大学院医歯学総合研究科先進不整脈学講座では、臨床電気生理学研修コース研修生の募集を下記の要項のごとく募集しております。

こちらでの研修にご関心がある方は、東京科学大学循環器内科医局宛(ikyoku.cvm@tmd.ac.jp)にご一報ください。

~ 記 ~

東京科学大学 先進不整脈学講座 臨床電気生理学研修コース募集要項
(Clinical Electrophysiology Fellowship, the Department of Advanced Arrhythmia Research,
Institute of Science Tokyo)

目的

電気生理学的検査・カテーテルアブレーション・デバイス植え込み・デバイス管理・デバイス抜去などの非薬物治療を中心とした不整脈治療の実臨床に参加し、より高度な知識とスキルを習得すること。

研修期間

6カ月間(応相談)

資格

内科認定医取得、もしくはそれに準ずる臨床経験を有する者。

指導医

循環制御内科学 教授 笹野哲郎
先進不整脈学  准教授 宮崎晋介
先進不整脈学  助教 滝川正晃
循環制御内科学  助教 田尾進
循環制御内科学  助教 西村卓郎

施設

循環器専門医研修施設、不整脈専門医研修施設

設備

循環器内科専血管撮影室2室、CARTO2台、Ensite2台、Rhythmia1台、クライオアブレーションシステム2台、内視鏡アブレーションシステム(レーザーバルーン)1台、エキシマレーザー2台

2021年症例数

  • カテーテルアブレーション 401件
  • 心房細動 267件、その他上室性不整脈 82件、心室性不整脈 53件
  • デバイス植え込み 132件
  • ペースメーカー 89件(うちリードレスペースメーカー 9件)
  • ICD 28件(うちS-ICD 4件)
  • 両心室ペーシング 19件
  • 植え込み型ループレコーダ 6件
  • デバイス抜去 53件

研修スケジュール

月曜日:デバイス外来、アブレーション、リード抜去

火曜日:アブレーション、不整脈カンファレンス

水曜日:アブレーション

木曜日:アブレーション

金曜日:抄読会もしくはリサーチカンファ、循環器内科カンファレンス、アブレーション

*)1カ月に1回、本学難治疾患研究所生体情報薬理学分野、小児科循環器グループと合同カンファレンスを開催。

到達目標

  • 発作性上室性頻拍の診断に習熟し、アブレーションを経験する。
  • 心房中隔穿刺ができるようになる。
  • 心房細動、心房頻拍、心室頻拍、それぞれの頻拍のアブレーション・マッピングの際に使用する
    3Dマッピングシステムの操作を学ぶ。
  • バルーンデバイスを使用した肺静脈隔離を経験する。
  • リードレスペースメーカーおよびS-ICD植え込み術の介助ができるようになる。
  • エキシマレーザーを用いたリード抜去を経験する。

*)研修生個人の経験によっては、さらに高度なスキルの習得を目指す。

その他

詳細は応相談

臨床不整脈研修コースの実際

2023年度参加者の声

 

心臓病センター榊原病院 循環器内科 金沢 夏希 先生
 [臨床不整脈研修コースを終えて]
 コロナが5類感染症に移行となって間もなくの、2023年10月から2024年3月の半年間、臨床不整脈研修コースで勉強させて頂きました。私は本研修開始時点で、医師9年目の循環器内科医でしたが、不整脈についてはまったくのド素人と言っても過言ではない状態でした。具体的に言うと、目まぐるしく流れるEPS所見にはとてもじゃないがついていけない、アブレーションカテーテルなど、片手で数えられるほどしか握ったことがない…といった具合です。医科歯科大学出身者でもなく、地方病院勤務で、東京は縁もゆかりもない土地でした。それでも不整脈科フェローとして温かく迎え入れて頂けたことに、まず感謝しております。
 研修期間中は目一杯、不整脈の症例に携わることができました。アブレーションに日々参加し、マッピングやCTIアブレーション、肺静脈隔離術(クライオバルーンアブレーション及びRF)などの手技を実際に経験することができました。また、特に上室性頻拍の症例終了後などは、EPSの所見を振り返って理解に努めました。先生方は大変お忙しい中、電位のreviewに時間を割いてつきあって下さいました。珍しい所見を見つけたときには、解析して不整脈カンファレンスで提示し、エキスパートの先生方の鋭い観察眼による指摘を多く頂き、より心臓電気生理学の世界の奥深さに触れることができました。
 半年を経ても、もちろんまだまだ未熟者ですが、不整脈カンファレンスでの先生方の議論が理解できるようになり、上室性頻拍のEPSでは、次にどの所見を確認すれば診断に近づけるか、がスムーズに予測できるようになり、当初は左房内で完全に迷子になっていたカテーテルも、狙いの場所に意思をもって動かせるようになってきました。経験の浅い私がこの研修コースにチャレンジすることには大きな不安もありましたが、今では思い切って受講に踏み切って正解だったと思っています。
 またこの研修コースは、個人に応じて研修内容を臨機応変にカスタマイズすることが可能なことも、魅力のひとつだと思います。既に不整脈学の経験のある先生方は、そのレベルに応じた研鑽を積んで、更なるスキルアップを目指せるでしょうし、私のような初学者の先生方にあっては、言わずもがな、です。
 不整脈を学びたいと志すすべての先生方に、是非この研修コースをお勧めしたいです。